離岸で常設でお取り扱いをしている作家をご案内します。
梶原靖元(陶磁、唐津)
矢野直人(陶磁、唐津)
三藤るい(陶磁、唐津)
石井義久(陶磁、唐津)
伊藤明美(陶磁、田川)
川端正美(陶磁、波佐見)
志村睦彦(陶磁、青梅)
宮岡麻衣子(陶磁、青梅)
辻村唯(陶、水間)
若林幸恵(漆、川越)
谷穹(陶、信楽)
坂倉正紘(陶、長門)
吉野桃李(陶、美祢)
2022.12.18 -
常設案内
離岸で常設でお取り扱いをしている作家をご案内します。
梶原靖元(陶磁、唐津)
矢野直人(陶磁、唐津)
三藤るい(陶磁、唐津)
石井義久(陶磁、唐津)
伊藤明美(陶磁、田川)
川端正美(陶磁、波佐見)
志村睦彦(陶磁、青梅)
宮岡麻衣子(陶磁、青梅)
辻村唯(陶、水間)
若林幸恵(漆、川越)
谷穹(陶、信楽)
坂倉正紘(陶、長門)
吉野桃李(陶、美祢)
2023.1.2 - 2023.12.31
展示会
3/11(土)〜3/19(日) 三藤るい 個展
4/15(土)〜4/23(日) 梶原靖元・村上三和子 二人展
2023.1.5 -
常設案内
縄文時代から連綿と続く漆芸の歴史。漆の持つ優れた特性と美に魅せられ、現代における漆の可能性を追求する若林幸恵さん。荒々しい手刳りと、優美な挽き物。漆は耐久性があり、熱の伝わりが和らぐため熱い汁物などを入れても手に持てますし、修理も出来ます。
漆器は決して繊細で扱いにくいものではありませんので、そのような偏見を捨て、ガシガシ漆器を使ってみてください。きっと生活が漆のように艷やかになるでしょう。若林さんの漆器は、中世以降、主に寺院などで使われながら発展してきた漆器の「正史」とはやや離れた場所で展開されています。縄文時代にはほぼ技法的に完成をみていたと言われる漆の技法、まず自然の神秘として人間の前に顕現したその原初的な艶めきを背後に湛えた作品です。
信楽で作陶されている谷穹さんの工房の隣には、お祖父様が蒐集された古信楽の壺がたくさん収蔵された展示室があります。骨董商を営んでいたとはいえ、個人が集めたとは思えないその量と質は驚くべきもので、公のもの含め、古信楽のコレクションとしては国内でも随一ではないでしょうか。そのような優れたコレクションに囲まれて育ったからか、谷さんの古信楽に対する情熱と考察は比類なきものです。
近現代の信楽焼と古信楽は何かが違う。では何が、どのように違うのか。谷穹さんはその違和感に蓋をせず、透徹した眼で観察し、そして実際に窯焚きしながら検証していきます。谷穹さんの作品にあって、なんとなくのフォルム、偶然の窯変というものは、存在しません。谷さんは自身の研究によって、窯変も計算し狙って出せることを体験しているからです。古信楽に関する研究がほとんどされていない状況で、谷穹は独り、古信楽を正しく現代にアップデートする作業を行っているのです。
偶然か、お二人とも〈人の手がつくりだすもの〉を非常に長いタイムスケールにおいて考え、それを実践にフィードバックされています。それは民芸や工芸といった枠では捉えられない、人と自然の、長い年月のなかで育まれてきた美しい関係性そのものです。
会期:2023.11.4(土)〜 11:00-17:00
*終了しました
展示会
11/4(土)より、〈ゆらすかおり展〉を開催します。創香家である今井麻美子さんをお迎えし、離岸限定のオリジナルの線香、練香、匂い袋、離岸特製香立てなどを展示販売します。
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香りの作家というのは大変珍しく、少なくとも日本では、今井さんのような活動をされている方は類例がないと思われます。
僕も今井麻美子さんに出会うまでは、香りについて深く考えたことは無く、しかしひとたび実際に今井さんの調合・精製した香りを体験すると、その繊細にして豊穣な世界にたちまち魅了されました。
今井麻美子のつくる香り〈ゆらすかおり〉は、100%天然の原料だけで作られ、化学的な香料は一切使用しません。そのため、その香りはとてもやさしく、僕がこれまでに知っていた香りとは全然違いました。(いわゆる「老舗」とされる香木店などの線香も、実は天然の原料に混じって合成香料がしようされているようです。線香など、直接人体につけない香は「雑品」扱いとなり、原材料などの表示義務が無いため、何が使われているか、通常わかりません。)
〈ゆらすかおり〉はとてもやさしくふんわりと包み込むように香ります。尖ったところがなく、強烈に臭うということもなく、焚き終わるとすっと消えていく。もののけ姫のコダマのように、繊細な、精霊のような存在です。
線香を吸い込んだときにむせる感じになったり、「うっ」となるのは当たり前というか、そういうものだと思っていましたが、〈ゆらすかおり〉を知ると、それは間違っていたことに気づきます。だって〈ゆらすかおり〉はそうなりませんから。(試しに今この原稿を書きつつ、とある老舗の香をたいてみましたが、もう、話になりません。僕はもう普通の市販の香に戻れない体になってしまいました。でも日本でほぼ100パーセントがこのような香りなのですから、僕はどこでこれらの香りに遭遇しても口を噤むよりほかありません。茶席で香をディスるわけにもいきませんから。)
合成香料が悪であるとは言いません。それは安定した生産と一貫した品質管理を可能にし、かつ相対的に安価に提供できる商品をつくるのに欠かせないでしょう。逆に言えば、自然の原料だけでつくることには大量に作れない、香りを一定にするのが難しい、訓練された嗅覚が必要など、生産上の困難がいくつもあり、それが今井麻美子が稀有であることの理由にもなっています。
しかし香りを文化として捉えた場合、合成香料のにせもの感はいかんともし難いものです。自然の原料だけで作られた〈ゆらすかおり〉に嫌な感じは一切ありません。香の好みはあるにせよ。簡単にいうと香料の入ったお菓子と、普通の食事の香りの差です。合成甘味料などは後味がひどいですが、香りも一緒です。合成香料の入ったものはきつい嫌な香りが、空間にまとわり付くような感じで残り、大層気分が悪いです。
しかし、不思議なものです。僕も〈ゆらすかおり〉に出会うまでは、なんの疑問もなく、市販の香を焚いて、「やあ、いい感じの雰囲気つくったなあ俺」などと思っておりました。香を焚く、なんとなくいい感じである、みたいな非常に安直かつ愚鈍な感性・嗅覚でした。それが、〈ゆらすかおり〉によって気づかぬ間にトレーニングされた僕の嗅覚は今や、かつての自分の蒙昧をばっさりと断罪します。
知らないほうが幸せなこともあります。まして、ほとんど知る術の無い香りについて、偽物で満足することを馬鹿にすることは誰にも出来ないでしょう。しかし、この文章を読み、香りの「別の可能性」を知ってしまった諸兄は、もはや半分「知っている人間」なのです。あとは会期中に離岸にお越しいただき、知ってほしいのです、この繊細で豊穣な世界を。そうして、この香りの「別の可能性」を知る人間が増えれば、今井麻美子さんのような作家が増えていくかもしれません。またいつか老舗も、新たなブランドを立ち上げるかもしれません。今井さんに並ぶ者のいない世界は、今井さんにとってはある意味良い面もあるでしょうが(ブルーオーシャン!しかし、現実はもちろんそんなイージーではありませんね。)、私達にとっては喜ばしいことではありません。客が店を育てるように、わたしたちはまず〈ゆらすかおり〉によって嗅覚を訓練し、そして厳しい消費者になっていくのです。そうなれば私達はもっといい香りのする世界へ、この世界を作り変えていくことができるのです。
かつて貴族や武家は、自分だけの香りを調合し、それらをあるいは秘伝にし、あるいはお互いに自慢したり、競い合い、その先に香道という世界でも稀な香りの芸術が生まれました。のちに茶の湯はその文化を取り入れ、一層みずからを芳醇なものとしていきます。平安時代より連綿と続く日本の香文化。その最先端にして異端にして正統の伝道師・今井麻美子の世界を、ぜひご堪能ください。
会期最初の土日には、今井さんを講師にお招きし、ワークショップを行います。こちらもふるってご参加ください!
〈ゆらすかおり展〉〜香りと遊ぶ 創香 今井麻美子〜
2023.4.15(土)~23(日) / 11:00-18:00
*終了しました
展示会
村上三和子x梶原靖元 コラボ展
-400年の時空を超えて-
2023.4.15(土)~4.23(日) ※ただし会期中の火曜日、水曜日は休廊いたします
Open 11時~18時 ※17日以降は17時ごろ閉店です。
作家在廊日 4/15(土),16(日)★梶原靖元さんのみ在廊
混雑時、入店制限や購入点数制限などをさせていただく場合もございます。
4.17月 20時よりオンライン販売を開始します。
作家プロフィール
村上三和子
1958年 佐賀県生まれ
1993年 一級技能士取得(陶磁器加飾部門)
1995年 伊万里・有田焼伝統工芸士取得(経済産業省認定)
2011年 陶房 青(吉村陶苑)にて企画デザイン
2018年 秋篠宮殿下 総裁ご就任30周年記念品制作
2019年~国立大学法人佐賀大学芸術地域デザイン学部非常勤講師
梶原靖元
1962 伊万里生まれ
1980 有田工業高校デザイン科卒
1986 唐津の太閤三ノ丸窯に弟子入
1989 大丸北峰氏に師事、煎茶道具を習う
1995 唐津市和多田にて独立
1997 佐里大谷にて穴窯築窯
2003 韓国にて研修
2004 韓国古窯跡視察
「古唐津研究会」発足
2005 中国の地質巡検
///
唐津と伊万里の物語
唐津と伊万里は、兄弟のような存在です。どちらも半島・大陸から渡って来た陶工が創始したものと考えられています。「唐入り」の前後に日本にやって来た(連れて来られた)彼の地の陶工らは、はじめ唐津で幾つもの窯を作り、有田で磁器に適した陶石を見つけると有田の地へと移って行きました。
茶の湯において格別の地位を与えられた古唐津。白磁に色鮮やかな絵付を世界に向けて羽ばたかせた古伊万里。渡来した兄弟は、それぞれの地で、浮き沈みを経ながら別々の道を歩んでいきました。
そして、令和の世も5年経ったころ、両者の末裔は思いもよらぬ形で、出会うこととなります。
…
ある日、今展の作品がギャラリーに届き、検品のため、無造作に新聞紙でくるまれた作品を取り出してみると、そこにあったのは、涙が出そうになるような〈もの〉でした。それは古唐津であり、古伊万里であり、この世に生を享けたことを祝ぐかのように純真で光り輝いていました。そしてその興奮を梶原さんにお伝えしようと連絡すると、すぐに次のような返信が来ました。
「古唐津の陶工と古伊万里の陶工
同じ血を分けた陶工たち400年の間ずっと交わることがなく平行線だったが今ここに美しく花舞い降りる!」(引用ママ)
400年。その言葉を見たときにハッとしました。過去の陶工について考え続け、古唐津研究会を立ち上げた梶原さんのこの言葉こそ、今回のコラボレーションの意味を、何より雄弁に語っているでしょう。
時代の趨勢の中で翻弄された民草が唐津や伊万里に渡来したからこそ、世界に誇る美を結実させたという複雑で、簡単に白黒をつけられない歴史のその突端で、令和の世、継承者たちが、古〈いにしえ〉を超えた古として、全く新しい美を生みだしたのです。
そしていうまでもなく、これは村上三和子さんと梶原靖元さんだからこそ、成し得た物語でありましょう。
…
村上さんは上絵の国家資格を所持する伝統工芸士として、伊万里、有田の地を拠点に活躍されています。伝統的な絵柄と独自のモチーフを巧みに使いこなし、波佐見のくらわんかで鍛錬された附立筆の技術は、今展においても要となる超絶技巧です。近年では絵付師、デザイナーとしてだけでなく、作家活動も展開されています。
そんな村上さんの技術に衝撃を受けた梶原靖元さんが、是非一緒にやりたいという希望から今回の企画が動き出しました。全国各地や李朝の古窯跡などで材料を探し、近年では大胆な手びねりの手法を繰り広げる梶原さん。他の作家とコラボレーションするというのは、初の試みとなります。
今回の展示では、出品作のほとんどが村上x梶原のコラボ作品となります。すでに確固としたキャリアを築きながら、なお新たな試みを求めて自らを更新し続けるお二人の挑戦と歴史的邂逅に立ち会える、またとない機会ですので、ぜひともご覧頂けましたら幸いです。
わたしたちは今、二人の作家によって古唐津と古伊万里が再び出会った世界線に生きています。(
しかし、そうでない可能性も、もちろんありえたのです。)あり得たかもしれぬものを思い、それを形作ろうとする営み。偶然と必然が織りなす縁。今ここに降臨した福音ともいうべきその美は、魂を揺さぶるものでした。軽やかに。自由に。清らかな祈りにも似た色と形とで。
離岸 生嶋唯行
///
梶原さんのご厚意で、貴重な動画を拝借いたしました。
村上さんのつけたて筆の技、梶原さんのろくろの技をご覧ください。
作品を実際にご覧になる前に、また作品をご覧になった後でこの動画を見ると、作品の見え方、感じ方が変わってきて面白いと思います。
村上さんの動画は唐津の作家さんたちが、伊万里の村上三和子さんのところに行って、その制作の様子をご覧になっている様子です。
唐津と伊万里は地理的には近いわけですが、意外とこれまでこうした交流は無かったそうで、村上さんも唐津の方が見に来るは初めてとおっしゃていました。
その意味でも「歴史的邂逅」の貴重なドキュメンタリーになっているのかなと思います。
2023.3.11(土)~19日 / 11:00-18:00
*終了しました
展示会
離岸初となる個展を、唐津・三藤るいさんをお迎えして行います。
食器、酒器、茶道具と、躍進中の三藤さんの作品をご高覧ください。
初日と2日目に三藤るいさんが在廊してくださいます。
会期 2023.3.11土曜~3.19日曜 (3.14火曜、15水曜はお休みです。)
時間 11:00~18:00 (個展期間中は1時間延長しての営業といたします。)
作家在廊 3.11土曜、3.12日曜
諸注意