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離岸開廊日

今井麻美子〈ゆらすかおり〉ワークショップ+茶会

*終了しました

展示会

今井麻美子〈ゆらすかおり〉ワークショップを1/11,12,13に開催します。あわせて香りを楽しむ茶会もします。

〜創香家・今井麻美子の香りを作るワークショップが離岸に帰ってくる!〜
前回大変ご好評をいただきました今井さんのワークショップをまた離岸で行う運びとなりました。

今井麻美子さんの調合する香りは、果てしなく優しい。。。その理由は今井さんの(鍛錬による)鋭敏な嗅覚によるブレンド技術と、現代ではほぼ絶無と言って良い作り方、つまり天然の原料「だけ」を使用する古来の製法にあります。

ビジュアルや文章では表現しづらい香りを宣伝するのは困難なのですが、ほんとうにすっと香り、すっと消えていく。食事を邪魔しない(だって原料は漢方やスパイスと同根ですから)。

和菓子の岬屋さんも、「良いあんこは甘さがいつまでも口の中にベタベタ残るのではなく、サラッと溶けていく甘さだ」(大意)とおっしゃっていますが、香りも同じで、空間にいつまでもベタベタと残らずにさらっと消えていく、それが上質で良い香りなのだと、今井さんの作る香りに触れて分かりました。

そのような香りを現代で手に入れるのは結構困難で、その点今井さんの香りは間違いありません。

ワークショップでは今井さんのもっている天然の香原料を使い、各人でオリジナルの香りを作る事ができます。季節のイメージ、記憶のイメージ、願い、気分。求めたい香りを今井さんにお伝えし、それをもとに今井さんがベースとなる調合を行います。そしてまたそれをもとにもうちょっとこうしたい、みたいなやり取りをしながら、自分の心や体にぴったりフィットする香りをつくることができます。

{香りは大脳新皮質を経ず、直接に大脳辺縁系へと作用する。すなわち、理性を飛び越え、情動や記憶を司る人間の脳の最も古い部分にダイレクトに到達し、私たちの脳と心を揺さぶる。
眼や触覚で楽しむ工芸美術、聴覚の音楽とは違い、香りは私たちの本能と直結している。それゆえに妖しく、艶かしく、かつ宗教性も帯びている。
香を焚きしめ、揺らすとき、私たちの存在もまた揺らされ、整えられる。香りは、古層の記憶へと我々を誘い、日常生活の中で硬くなった心身を軽やかにマッサージしてくれる。}

【開催概要】
今井麻美子〈ゆらすかおり〉 香りと遊ぶワークショップ +茶会
2025.1.11(土) , 12(日), 13(月祝)
講師:今井麻美子(創香家・香司)

【日程】 (各イベントの詳しい内容は日程以下の部分をご参照ください。)
〈1/11(土)〉
・11〜13時〈ゆらすかおり〉茶会 
定員6名 9,000円(主菓子、薄茶、練香8粒お土産付き)

・14〜16時 オリジナル線香制作1
定員5名 8,800円(お作りいただいた線香はお持ち帰りいただけます)

〈1/12(日)〉
・11〜13時 オリジナル線香制作2
定員5名 8,800円(お作りいただいた線香はお持ち帰りいただけます)

・14〜16時 オリジナル練香制作1
定員5名 9,900円(お作りいただいた練香はお持ち帰りいただけます)

〈1/13(月祝)〉
・11〜13時 オリジナル練香制作2
定員5名 9,900円(お作りいただいた練香はお持ち帰りいただけます)

・14〜16時 オリジナル線香制作3
定員5名 8,800円(お作りいただいた線香はお持ち帰りいただけます)

【どんなワークショップ?】
ワークショップでは参加者の香りのイメージをもとに、セッション形式でオリジナルの調合の香を作ることができます。線香の回と練香の回があります。

線香は、おうちで、どんな時でも使えます。ティータイムやリラックスタイム、瞑想、ヨガ、在宅の仕事中などお好きなシチュエーションで。
もちろんお友達をお家に招くときなんかもいいですし、一人で贅沢な時間を過ごすことも出来ます。香りで心や気分をリフレッシュできます。
巷の線香に忌避感のある方にこそ、ぜひ体験していただきたいです。新たな香りの世界が拓かれるとおもいますよ。

練香は茶道をしている方に特にお勧めです。自分のオリジナルの香りを焚きしめて茶会などを催せば、それだけでご亭主ならではの空間になりますし、お客様も特別な会に参加出来たと喜ばれるでしょう。香をきっかけに会話も弾みますし、何より本当に良い香りです。騙されたと思って一度使ってみてください。

ワークショップでは、老山白檀、新山白檀、龍脳、丁子、桂皮、大茴香、山奈、甘松、かっ香、排草香、乳香、安息香、極上安息香、ウコン、零陵香、粕白檀、シャム沈香、タニ沈香といった天然の原料を使います。
これらに加えて線香では椨粉を、練香では蜂蜜を使って練ります。

【〈ゆらすかおり〉茶会】
今井麻美子さんの作る練香を用いて初炭手前+薄茶点前の茶会を行います。
練香をうまく熱灰に載せ、いい感じに香らせることができるのか。乞うご期待。
今井さんも同席していただき、香りにまつわる会話をお楽しみいただけます。
参加者は離岸オリジナルの練香もお土産としてお持ち帰りいただけます(原料の大幅な値上げに伴い、練香は価格改定を行いました。)

☆ワークショップ・お茶会参加ご希望の方はページ下部のお問い合わせフォーム、インスタグラムDMなどでお名前、当日ご連絡のつくお電話番号、ご希望の回と人数をお知らせください。キャンセルの場合はお早めにお知らせください。以下のようなキャンセルポリシーとさせていただきまして、キャンセルを請求する場合がございます。お申し込みした時点でご同意頂いたものとみなします。

  • 茶会、線香と練香のワークショップ各回::5日前〜2日前:料金の50%、前日:料金の80%、当日:料金の100%

今井 麻美子 Mamiko Imai
@mamikoimai
香りを創ることはイメージを五感で感じ表現する一つのアートと考え、2008年より百貨店出展、講座、イベントなど国内外を問わず様々な活動をしている。また、近年増えてきているコンサートやイベントなどでの香りの演出の先駆者でもある。最近の制作作品には『暁のヨナ』(草凪みずほ/白泉社)の花とゆめ本誌プレゼントやソーシャルゲーム『Alice CLoset』『なむあみだ仏っ!』の公式グッズ制作など、漫画やゲームのキャラクターを和の香りで表現。香と音ASHITA・日月香では、使う側が体感し、自由に表現できる今までにないアートとしての香りを制作したり、形のない香りだからこそ出来る新しい香りの表現であり体験する人がいて初めて成立するインスタレーションアートでもある「交香感」を世田谷美術館分館清川泰次記念ギャラリーにて開催するなど、伝統であり日常である和の香りの既存に囚われない新しい可能性を大きく広げている。

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山口千絵個展〈手のひらに、ほとけさま。〉

*終了しました

展示会

12/7(土)より山口千絵さんの個展を行います。山口さんは螺鈿・漆芸家として、手のひらに収まるサイズの小さなほとけさま(仏像)を中心に制作されています。ほかにも動植物のモチーフを扱ったり、また小さな壁掛けの作品(「ひっつきむし」などで貼り付ける合理性!)なども展開しています。

今回は離岸での展示にあわせて特別に香合や短冊作品をつくって頂く予定です。

螺鈿を使った作品において山口さんは漆や木地の「地」の部分と螺鈿の「図」の部分のバランスをとてもよく気にかけています。作品のどれくらいの部分を螺鈿で埋めるのか、そのあたりもじっくり観察してみると面白いです。

また掌品ということで必然的に線は単純に研ぎ澄まされ、必要最低限の線においてほとけさまの姿が顕現します。このような単純化によって、むしろ神々しさを想像する余白のようなものが生まれ、小さいながらも存在感のある柔和な姿が出来ています。

DM作品については会期前のお問い合わせも承れます。お気軽にご連絡ください。

(※ご売約済:上掲横一列に並んだ作品の左端、左から四番目、左から六番目、右から四番目。)

山口千絵さんは初日の夕方まで在廊してくださいます。(小さなお子様の育児をしながら、タイトなスケジュールで頑張って納品してくださいました。)

東日本では初となる山口さんの個展ですので、皆様どうぞ、足をお運びくださいませ。かわいらしく、傍にあるだけで守っていてくれそうな、良いオーラをまとった作品で新しい年をお迎えしてくだされば嬉しく思います。

小さなもの。目を凝らし、手を凝らし、専心し、ほとけの姿を立ち上がらせていく。凝縮された空間のなかで必然的に線はシンプルになり、研ぎ澄まされて、これ以上でも以下でもないその界面に、ほとけが顕現する。

かわいいもの。可愛さと尊さが等価であるような、新しい祈りの形。仏像としては型破りであり、むしろだからこそ、祈りはより純粋に象られていく。何故ならば小ささもかわいさも、山口千絵の実存と深く結びついているから。

山口千絵のほとけさまはやさしく、ほっこりと暖かく私たちを見守ってくれている。野辺の小さな花のように、無量の星のように、光り輝きながら。

山口千絵

1988年奈良県生まれ。

2011年京都精華大学プロダクトデザイン学科卒業

京都の家具製作所にて木工の修行の後、漆教室に通いながら螺鈿の制作を始める。

伊藤明美個展〈茶湯日月抄〉

*終了しました

展示会

11/23(土)より、伊藤明美さんの個展を開催いたします。

茶の湯への、うつわへの、古いものへの愛情がたっぷりつまった伊藤明美さんの作品。

茶籠も出品してくださいますので、愛好者、数奇者の皆様もぜひお楽しみに、お越しください。

伊藤明美さんのうつわには、ほどよく弛みがある。
無駄な線はなく、研ぎ澄まされているのだが、人懐っこさを含んでいる。その空気感は、「うつわや」伊藤明美さんの、お客さんに日常的に器を愉しんでほしいという願いの表れでもあるのだと思う。

(緊張感や情念で人や場を圧倒するのではなく、)使われる空間と時間を心地よく豊かなものにすること。伊藤さんの作品はいつも使い手のほうを向いている。あるいはそれに加えて、過去の陶工と焼き物のほうを。

古唐津や古高取の無心の美に照らされた道を歩きながら、伊藤明美さんは、茶の湯の精神を、そのうつわに映す。〈ひとしなみに。しずけさを。〉伊藤明美さんの作品から照らされると、茶の湯とは、かくも美しく楽しいものであるか。わたしたちは初心に帰るような気持ちで、驚きとともに、いつでもそれを思い起こすのである。

谷穹 抽象と静寂 Tani Q Solo Exhibition

2024.11.02- 10 / 11:00-18:00

*終了しました

展示会

谷穹さんの作品はピラミッドのように非人称的で抽象的な手触りがある。実体があるのに謎めいていて、言葉による理解を躱しながら、ここにあるモノを超えて、もっと「物自体(Ding an sich)」にせまることを、呼びかけている。

そのかすかな声は、静寂のひとつのバリエーションだ。工芸的な美の範疇を超えて、とても静かに存在している谷穹さんの作品に触れるとき、わたしたちはこの世界を成り立たせている根源のようなものへと近づいていく。答えではなく、問いそのものとして現れる形象。Q。

と同時に谷穹さんの作品は時代の空気感を鮮やかに纏っている。しかつめらしさがなく軽やかでこなれていることと存在の問いかけを、カッコ良さと深さを、センスとアンチセンスを両立させる。それは稀有な事だと思う。

会期:

2024.11月2日(土)から10日(日)まで。11時〜18時。

※11/5(火)はお休みです。

※2日、3日に谷穹さんが在廊してくださる予定です。

※オンライン販売も予定しています。決まり次第アナウンスいたします。

谷穹さんの作品はかっこよく、また茶を呼ぶというか、茶の湯の余情もふくよかにあります。

樂初代長次郎を彷彿とさせるちゃわんもDMの中にありますね。正直、焼締は釉薬のかかった茶碗より使いづらいけど、そんな欠点も上回る魅力があります。

展覧会みたいなDMですが、普通の展示販売会となりますので、皆様お気軽におこしください。

吉野桃李展 

*終了しました

展示会

10/12(土)より、吉野桃李展が始まります。

吉野桃李さんは萩焼に魅せられ、萩の地で長年作陶と探求を続けておられますが、同時に、萩のはじまりである高麗ものに対する想いも強く持っておられます。

唐物の影響を受けた高麗、その影響を強く持つ萩。李兄弟を開祖に持つ萩焼の中には、高麗や唐物のエッセンスが入っています。

吉野桃李さんは、そうした萩の成り立ちに意識的であり、確信的に遡行し、萩のなかで三国を融和させ、萩の正統的な、かつ独創的な解釈で萩の今日を作り出しています。

唐物の持つシンメトリーの美、薄さ(軽さ)の卓越した技巧。高麗の、粉青沙器の親しみと和らぎ、祈りの質感。それらは萩の上品さ、柔らかさ、土の良さのなかでまどろみ、萩のなかでこそ開花しえた自らの別のあり方に重畳している。そんなふうに焼物の一つの桃源郷としての萩を表現しようとなさっているようにも捉えられます。

吉野桃李さんは萩がもつ歴史的なポテンシャルをご自身で解釈し直し、存分に発揮するように多彩な作品を作ります。しかしまた同時に国焼へも興味感心は注がれています。

萩を軸としながら、歴史的、地理的な多くの参照点を束ね、吉野桃李の茶陶を中心とした奥深く静かな作品世界が出来上がります。

その最先端をどうぞご高覧くださいませ。

【展示会概要】
吉野桃李展 
唐物と高麗は萩の夢を見る

2024.10.12(土)~19(土)
※15日(火)のみ休廊
11:00-18:00

・12(土)、13(日) 吉野桃李さん在廊

柔和な肌、高潔で寡黙な形、七色の色彩。

吉野桃李さんの高潔で寡黙な形を見ていると、それは李朝の精神のうつせみのようであり、白磁でなくても白磁以上の高潔さを表現しうるということに気付かされます。桃李不言下自成蹊の言葉通りに寡黙なのは、高倉健のように不器用だからではなく、むしろ、茶入の驚くほどの軽さにみてとれるような卓越した技術を、自己を表出するためでなく、自己の規矩に供するものとして使役しているからでありましょう。

その厳しい途は、愉しさとともにあります。萩らしい柔和な肌と、種々の釉薬と窯変による色彩の官能は、触覚と視覚の快さを与えてくれます。気品と愉楽と柔らかさは萩的でありながら、あくなき対称性への姿勢は唐物的であり、清廉潔白な姿を求める精神は李朝的です。

吉野桃李の眼は、萩の始祖としての高麗、さらに奥の唐物にも向かっており、本来的に萩に内包されているそれらの要素を萩の土の中で浮かび上がらせ、萩の潜在的な可能性を探求しているようです。(部分的に)歴史への回帰というかたちをとりながら、歴史を拡張していく試み。あるいは萩を高麗・唐物・和物のアマルガムとして捉え直す試み。氏の作品は、地理的にも歴史的にも大きなスパンで見られるべきものです。

その探求の最新の記録を、ぜひご高覧ください。

石井義久・明賀亘史 二人展

*終了しました

展示会

16世紀後半より数多の陶工によって紡がれてきた唐津の歴史。

今その先端で、伝統や古唐津研究を継承しながらも独自の方法論を携えた若き作家が、新しい時代を切り開こうとしています。

石井義久さんは岸岳古窯飯洞甕下窯跡を見下ろすような場所に今年、自分の窯を築きました。唐津の土味の良さを引き出す天禀があります。飾り立てず、柔らかでまっすぐな作行は存外稀有なもので、土本来の持つ旨味をたっぷりと伝える無二の巧みがあります。

明賀亘史さんは川上清美さんに師事し、去年、玄海町に明賀窯を開窯。ご自身がお好きだという沓茶碗のような大胆な作為には、力強くも理知的な佇まいに、清らかな風格が備わります。これからの唐津の一角を担うことは間違いないでしょう。

唐津の若き両雄の作品が並ぶことにワクワクしております。みなさま、どうぞご高覧ください。

【会期】2024.9.21土曜~9.28土曜 全日11時-18時開廊 ※会期中9.24(火)のみ休廊します。

作家在廊日(石井義久さん、明賀亘史さん):9.21(土)&22(日)

 ※両日17時まで。

また、両日とも御希望の方には作家自ら薄茶一服差し上げます。

  • 初めての試みでどんな感じになるか正直良くわからないので、御希望の方はあまり過度な期待はせずにゆったりとしたお気持ちでご参加ください。
  • 混雑具合によっては待ち時間の発生や受付停止などの措置を取らせていただきます。
  • お二人とも茶の湯のエキスパートというわけではありませんが、作家と薄茶一服を通して心を通わせる、素敵な時間にできればいいなと思っています。
  • 茶室は自然光のみで暗くなるので、16時前にはこの催しの受付を停止する予定です。



石井義久
1989 八王子に生まれる
1996 埼玉県入間市に育つ
2012 佐賀県立有田窯業大学卒業
2014 矢野直人氏に師事
2018 唐津 相知にて作陶をはじめる
2024 唐津 岸岳にて薪窯を築く

明賀亘史
1991 千葉県大多喜町に生まれる
2015 川上清美氏に師事
2023 玄海町にて独立

高麗十基

2022.2.10(土)〜2.18(日) / 11:00-17:00

*終了しました

展示会

2/10(土)より、展示会「高麗十基」を開催いたします。

本展は唐津・萩の計6名の作家が出展し、いわゆる「高麗物」にまつわる作品を展示販売いたします。

茶道具と酒器が中心の出品です。酒器も結構充実しています。

また茶道具、特に茶碗ですが、作家の皆様より素晴らしいものをお預かりしていますので、必見です。茶碗(および茶道具の一部)は茶室の自然光でご覧いただければと思っております。夕方は茶室が暗くなるので、茶碗を見たい方はぜひ早い時間帯にお越し下さい。

以下本展の紹介文です。


海の向こうから渡ってきた朝鮮半島の焼き物は深く日本文化に浸透し、特に茶の湯において愛好され、数々の写しが作られた。
写しとは表面的な模倣ではなく、彼我の往還と交錯であり、その間で思考を巡らせることである。重層的に歴史を折り畳み、自身の中に巻き込みながら円環的に前進する制作である。そして「高麗物」とはそのような思考/制作を受けとめる豊かな器であり、陶磁の一つの基本形として参照され続け、離れてはまた戻ってくる場所でもある。

本展では高麗物と歴史的に深い関わりをもつ唐津と萩の作家達の〈高麗をめぐるかたち〉を茶道具、酒器を中心に提示します。高麗物、唐津、萩。三者の織りなす円環の歴史に刻まれる詩情に満ちた美を、どうぞご高覧ください。

作品の価格、一部掲示します。

伊藤明美 ko.IA01.0 無地唐津茶碗(奥高麗手) ¥88,000円(税込)
伊藤明美 ko.IA04.0 狂言袴小服碗 ¥8,800円(税込)
伊藤明美 ko.IA07.0 雲鶴狂言袴筒茶碗 ¥55,000円(税込)
伊藤明美 ko.IA08.0 雲鶴狂言袴小服碗 ¥13,200円(税込)
伊藤明美 ko.IA11.4.0 井戸くみだし ¥4,400円(税込)
伊藤明美 ko.IA12.5.0 象嵌八角皿 ¥8,800円(税込)
伊藤明美 ko.IA14.0 粉引徳利 ¥19,800円(税込)
伊藤明美 ko.IA15.0 斑片口 ¥16,500円(税込)
伊藤明美 ko.IA17.0 斑唐津六角猪口 ¥8,800円(税込)
内村慎太郎 ko.US02 奥高麗茶盌 ¥264,000円(税込)
内村慎太郎 ko.US03 井戸茶盌 ¥341,000円(税込)
内村慎太郎 ko.US04 青井戸茶盌 ¥286,000円(税込)
内村慎太郎 ko.US10 熊川茶盌 ¥253,000円(税込)
内村慎太郎 ko.US11 玉子手茶盌 ¥253,000円(税込)
内村慎太郎 ko.US13 古井戸盃 ¥35,200円(税込)
梶原靖元 ko.KY01 紅葉呉器茶盌 ¥110,000円(税込)
梶原靖元 ko.KY03 黒釉筒茶碗 ¥66,000円(税込)
梶原靖元 ko.KY04.0 黒出豹杯 ¥13,200円(税込)
梶原靖元 ko.KY06.0 くらわんか杯 ¥13,200円(税込)
三藤るい ko.MR01 唐津茶碗 ¥132,000円(税込)
三藤るい ko.MR02 堅手小服茶碗 ¥38,500円(税込)
三藤るい ko.MR03 唐津扁壺 ¥38,500円(税込)
三藤るい ko.MR05 柿の蔕ぐい呑 ¥12,100円(税込)
矢野直人 ko.YN01 絵唐津茶碗 ¥132,000円(税込)
矢野直人 ko.YN04 斑唐津茶碗 ¥110,000円(税込)
矢野直人 ko.YN06 黒釉花入 ¥110,000円(税込)
矢野直人 ko.YN11 ルリ徳利 ¥22,000円(税込)
矢野直人 ko.YN19 刷毛目ぐい呑 ¥13,200円(税込)
矢野直人 ko.YN20.0 絵唐津皿 5客揃 ¥49,500円(税込)
吉野桃李 ko.YT01 萩大道熊川茶盌 ¥132,000円(税込)
吉野桃李 ko.YT04 萩辰香合 ¥24,200円(税込)
吉野桃李 ko.YT05 萩芋頭水指 ¥132,000円(税込)
吉野桃李 ko.YT06 萩刷毛目鉄絵瓶 ¥66,000円(税込)
吉野桃李 ko.YT08 萩旅枕掛花入 ¥38,500円(税込)
吉野桃李 ko.YT09 萩粉引四方鉢 ¥38,500円(税込)
吉野桃李 ko.YT11 萩八寸 ¥33,000円(税込)
吉野桃李 ko.YT12 萩徳利 ¥28,600円(税込)
吉野桃李 ko.YT14 萩井戸盃 ¥19,800円(税込)
三藤るい ko.MR11x 水指(参考出品)


伊藤明美
1964 福岡県田川市生まれ
1992 福岡県立田川高等技術訓練校にて陶芸の基礎を学ぶ
1993 有光武元氏に師事
1994 茶道裏千家・宮崎正喜に入門
1997 福岡県田川市にて作陶をはじめる
NHK文化センター(北九州)陶芸講師となる
2000 韓国古窯を訪ねる
2005 鞍手竜徳高校にて陶芸講師となる
2006 各地で個展、グループ展を開催

内村慎太郎

1975年 鹿児島県霧島山麓湧水町に生まれる
1995年 国立鹿児島工業高等専門学校卒業後、橋梁設計の仕事に従事するが、古陶に心惹かれやきものの道に入る
2002年 福岡県糸島市に工房を開く
曹源窯小島直喜氏に師事
2008年 工房を移し、山居窯開窯
2018年 野村美術館にて個展
2019年 田部美術館「茶の湯の造形展」入選
2020年 「現代茶陶展」、「美濃茶盌展」入選
その他、全国百貨店等にて個展開催

梶原靖元
1962 佐賀県伊万里市に生まれる
1980 有田工業高等学校 デザイン科卒
1986 唐津焼窯元 太閤三ノ丸窯に弟子入
1989 大丸北峰氏に師事し煎茶道具を習う
1994 朝日現代クラフト 入選
1995 現代茶陶展 入選
1995 唐津市 和多田にて独立する
1996 淡交社 茶道美術展「鬼子」入選
1997 佐里 大谷に穴窯築窯
2003 第100回 九州山口陶磁展 経済産業大臣賞受賞
2003 韓国にて海外研修
2004 韓国「古唐津のルーツを求めて」古窯跡視察 「古唐津研究会発足」
2005 中国の地質巡検
2005 NHK BS2「侘びの茶碗をよみがえらせたい」放映
2007 NHK教育 「美の壺」出演

三藤るい
1978年 福岡県福岡市生まれ
2006年 佐賀県立有田窯業大学 ロクロ科卒業
2006年 唐津 川上清美氏に師事
2009年 唐津市に築窯、独立
2023年 現代陶芸奨励賞 九州・沖縄展にて、審査員特別賞

矢野直人
1976 唐津市に生まれる
1994 5年間アメリカ留学
2002 佐賀県立有田窯業大学卒業
2003 佐賀県立有田窯業大学校嘱託講師
2004 自宅殿山窯にて作陶始める
2008 韓国蔚山にて6カ月作陶

吉野桃李
1965年 福岡に生まれる
1986年 有田窯業大学校卒業
1986年 萩焼宗家の坂高麗左衛門(十二代熊峰)に師事
1996年 長登(ながのぼり)銅山跡近くに萩焼登り窯「桃李」を創設
2000年 渋谷東急百貨店で初個展。以後全国で個展、グループ展開催
2001年 西部工芸展入選(以後7回入選
2007年 萩陶芸家協会展 萩陶芸家協会賞受賞
2018年 京王百貨店 新宿店にて個展
2018年 そごう広島店にて個展

2024 展示会のスケジュール

2024.1.1 -

展示会

「李朝高麗十基」参加作家:伊藤明美、内村慎太郎、梶原靖元、三藤るい、矢野直人、吉野桃李 2/10(土)〜18(日)

9月

石井義久・明賀亘史 二人展 「タイトル未定」 21(土)〜28(土)

10月

吉野桃李 個展 「吉野桃李展」 12(土)〜19(土)

11月

谷穹 個展 2(土)〜10(日)

伊藤明美 個展 23(土・祝)〜30(土)

12月 

山口千絵 個展 7(土)〜 

【ご案内】

展示会の営業時間は普段と同じ11:00-17:00です。ただし会期中のみ、17:00-19:00を事前予約にて延長営業いたします。ご都合で17時までに来られないという方はぜひご連絡ください。作家在廊日には延長営業はいたしません。

また会期中の火曜日は休廊となりますので、ご注意お願いいたします。

ゆらすかおり展 〜香りと遊ぶ 創香 今井麻美子〜

会期:2023.11.4(土)〜 11:00-17:00

*終了しました

展示会

11/4(土)より、〈ゆらすかおり展〉を開催します。創香家である今井麻美子さんをお迎えし、離岸限定のオリジナルの線香、練香、匂い袋、離岸特製香立てなどを展示販売します。

_____

香りの作家というのは大変珍しく、少なくとも日本では、今井さんのような活動をされている方は類例がないと思われます。

僕も今井麻美子さんに出会うまでは、香りについて深く考えたことは無く、しかしひとたび実際に今井さんの調合・精製した香りを体験すると、その繊細にして豊穣な世界にたちまち魅了されました。

今井麻美子のつくる香り〈ゆらすかおり〉は、100%天然の原料だけで作られ、化学的な香料は一切使用しません。そのため、その香りはとてもやさしく、僕がこれまでに知っていた香りとは全然違いました。(いわゆる「老舗」とされる香木店などの線香も、実は天然の原料に混じって合成香料がしようされているようです。線香など、直接人体につけない香は「雑品」扱いとなり、原材料などの表示義務が無いため、何が使われているか、通常わかりません。)

〈ゆらすかおり〉はとてもやさしくふんわりと包み込むように香ります。尖ったところがなく、強烈に臭うということもなく、焚き終わるとすっと消えていく。もののけ姫のコダマのように、繊細な、精霊のような存在です。

線香を吸い込んだときにむせる感じになったり、「うっ」となるのは当たり前というか、そういうものだと思っていましたが、〈ゆらすかおり〉を知ると、それは間違っていたことに気づきます。だって〈ゆらすかおり〉はそうなりませんから。(試しに今この原稿を書きつつ、とある老舗の香をたいてみましたが、もう、話になりません。僕はもう普通の市販の香に戻れない体になってしまいました。でも日本でほぼ100パーセントがこのような香りなのですから、僕はどこでこれらの香りに遭遇しても口を噤むよりほかありません。茶席で香をディスるわけにもいきませんから。)

合成香料が悪であるとは言いません。それは安定した生産と一貫した品質管理を可能にし、かつ相対的に安価に提供できる商品をつくるのに欠かせないでしょう。逆に言えば、自然の原料だけでつくることには大量に作れない、香りを一定にするのが難しい、訓練された嗅覚が必要など、生産上の困難がいくつもあり、それが今井麻美子が稀有であることの理由にもなっています。

しかし香りを文化として捉えた場合、合成香料のにせもの感はいかんともし難いものです。自然の原料だけで作られた〈ゆらすかおり〉に嫌な感じは一切ありません。香の好みはあるにせよ。簡単にいうと香料の入ったお菓子と、普通の食事の香りの差です。合成甘味料などは後味がひどいですが、香りも一緒です。合成香料の入ったものはきつい嫌な香りが、空間にまとわり付くような感じで残り、大層気分が悪いです。

しかし、不思議なものです。僕も〈ゆらすかおり〉に出会うまでは、なんの疑問もなく、市販の香を焚いて、「やあ、いい感じの雰囲気つくったなあ俺」などと思っておりました。香を焚く、なんとなくいい感じである、みたいな非常に安直かつ愚鈍な感性・嗅覚でした。それが、〈ゆらすかおり〉によって気づかぬ間にトレーニングされた僕の嗅覚は今や、かつての自分の蒙昧をばっさりと断罪します。

知らないほうが幸せなこともあります。まして、ほとんど知る術の無い香りについて、偽物で満足することを馬鹿にすることは誰にも出来ないでしょう。しかし、この文章を読み、香りの「別の可能性」を知ってしまった諸兄は、もはや半分「知っている人間」なのです。あとは会期中に離岸にお越しいただき、知ってほしいのです、この繊細で豊穣な世界を。そうして、この香りの「別の可能性」を知る人間が増えれば、今井麻美子さんのような作家が増えていくかもしれません。またいつか老舗も、新たなブランドを立ち上げるかもしれません。今井さんに並ぶ者のいない世界は、今井さんにとってはある意味良い面もあるでしょうが(ブルーオーシャン!しかし、現実はもちろんそんなイージーではありませんね。)、私達にとっては喜ばしいことではありません。客が店を育てるように、わたしたちはまず〈ゆらすかおり〉によって嗅覚を訓練し、そして厳しい消費者になっていくのです。そうなれば私達はもっといい香りのする世界へ、この世界を作り変えていくことができるのです。

かつて貴族や武家は、自分だけの香りを調合し、それらをあるいは秘伝にし、あるいはお互いに自慢したり、競い合い、その先に香道という世界でも稀な香りの芸術が生まれました。のちに茶の湯はその文化を取り入れ、一層みずからを芳醇なものとしていきます。平安時代より連綿と続く日本の香文化。その最先端にして異端にして正統の伝道師・今井麻美子の世界を、ぜひご堪能ください。

会期最初の土日には、今井さんを講師にお招きし、ワークショップを行います。こちらもふるってご参加ください!

〈ゆらすかおり展〉〜香りと遊ぶ 創香 今井麻美子〜

  • 会期:2023.11.4土曜日から11.19日曜日 11:00-17:00 注)会期中の火曜・水曜はお休みです。
  • 会場:離岸
  • 内容:離岸オリジナルの線香、練香、匂い袋の展示販売、〈ゆらすかおり〉作品の展示販売、離岸オリジナルの香立て&香台の展示販売など。
  • 作家在廊日:11.4, 11.5
  • 関連イベント:「自分だけの香りをつくるワークショップ」
    • 日時:11.4土曜, 11.5日曜
    • スケジュール:[ 11.4土曜 ] 11:00-13:00 線香作りワークショップ、14:30-16:30 練香作りワークショップ、[ 11.5日曜 ] 11:00-13:00 線香作りワークショップ、14:30-16:30 練香作りワークショップ
    • 講師:今井麻美子(〈ゆらすかおり〉)
    • 内容:作りたい香りのイメージを今井さんに伝えると、今井さんがオリジナルの調合してくれます。自分だけの、オリジナルな香りがつくれるすごーいワークショップです。
    • 参加費:線香WSは7,700円。練香WSは9,900円。ともに材料費込み。作った香はお持ち帰りいただけます。また使い切ったら注文も可能です。
    • 定員:各回5名
    • 参加ご希望の方はホームページ内「問い合わせ」フォームもしくはインスタDMなどで受け付けます。
  • 作家プロフィール:今井麻美子 香りを創ることはイメージを五感で感じ表現する一つのアートと考え、2008年より百貨店出展、講座、イベントなど国内外を問わず様々な活動をしている。また、近年増えてきているコンサートやイベントなどでの香りの演出の先駆者でもある。最近の制作作品には『暁のヨナ』(草凪みずほ/白泉社)の花とゆめ本誌プレゼントやソーシャルゲーム『Alice CLoset』『なむあみだ仏っ!』の公式グッズ制作など、漫画やゲームのキャラクターを和の香りで表現。香と音ASHITA・日月香では、使う側が体感し、自由に表現できる今までにないアートとしての香りを制作したり、形のない香りだからこそ出来る新しい香りの表現であり体験する人がいて初めて成立するインスタレーションアートでもある「交香感」を世田谷美術館分館清川泰次記念ギャラリーにて開催するなど、伝統であり日常である和の香りの既存に囚われない新しい可能性を大きく広げている。 →作家ホームページ

村上三和子×梶原靖元 コラボ展 〜400年の時空を超えて〜

2023.4.15(土)~23(日) / 11:00-18:00

*終了しました

展示会

村上三和子梶原靖元コラボ展オモテ

村上三和子x梶原靖元 コラボ展
-400年の時空を超えて-

2023.4.15(土)~4.23(日) ※ただし会期中の火曜日、水曜日は休廊いたします
Open 11時~18時 ※17日以降は17時ごろ閉店です。

作家在廊日 4/15(土),16(日)★梶原靖元さんのみ在廊

混雑時、入店制限や購入点数制限などをさせていただく場合もございます。
4.17月 20時よりオンライン販売を開始します。

作家プロフィール
村上三和子
1958年 佐賀県生まれ
1993年 一級技能士取得(陶磁器加飾部門)
1995年 伊万里・有田焼伝統工芸士取得(経済産業省認定)
2011年 陶房 青(吉村陶苑)にて企画デザイン
2018年 秋篠宮殿下 総裁ご就任30周年記念品制作
2019年~国立大学法人佐賀大学芸術地域デザイン学部非常勤講師

梶原靖元
1962 伊万里生まれ
1980 有田工業高校デザイン科卒
1986 唐津の太閤三ノ丸窯に弟子入
1989 大丸北峰氏に師事、煎茶道具を習う
1995 唐津市和多田にて独立
1997 佐里大谷にて穴窯築窯
2003 韓国にて研修
2004 韓国古窯跡視察
「古唐津研究会」発足
2005 中国の地質巡検

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唐津と伊万里の物語

 唐津と伊万里は、兄弟のような存在です。どちらも半島・大陸から渡って来た陶工が創始したものと考えられています。「唐入り」の前後に日本にやって来た(連れて来られた)彼の地の陶工らは、はじめ唐津で幾つもの窯を作り、有田で磁器に適した陶石を見つけると有田の地へと移って行きました。
 茶の湯において格別の地位を与えられた古唐津。白磁に色鮮やかな絵付を世界に向けて羽ばたかせた古伊万里。渡来した兄弟は、それぞれの地で、浮き沈みを経ながら別々の道を歩んでいきました。
 そして、令和の世も5年経ったころ、両者の末裔は思いもよらぬ形で、出会うこととなります。

 ある日、今展の作品がギャラリーに届き、検品のため、無造作に新聞紙でくるまれた作品を取り出してみると、そこにあったのは、涙が出そうになるような〈もの〉でした。それは古唐津であり、古伊万里であり、この世に生を享けたことを祝ぐかのように純真で光り輝いていました。そしてその興奮を梶原さんにお伝えしようと連絡すると、すぐに次のような返信が来ました。

「古唐津の陶工と古伊万里の陶工
同じ血を分けた陶工たち400年の間ずっと交わることがなく平行線だったが今ここに美しく花舞い降りる!」(引用ママ)

400年。その言葉を見たときにハッとしました。過去の陶工について考え続け、古唐津研究会を立ち上げた梶原さんのこの言葉こそ、今回のコラボレーションの意味を、何より雄弁に語っているでしょう。
 時代の趨勢の中で翻弄された民草が唐津や伊万里に渡来したからこそ、世界に誇る美を結実させたという複雑で、簡単に白黒をつけられない歴史のその突端で、令和の世、継承者たちが、古〈いにしえ〉を超えた古として、全く新しい美を生みだしたのです。
 そしていうまでもなく、これは村上三和子さんと梶原靖元さんだからこそ、成し得た物語でありましょう。

 村上さんは上絵の国家資格を所持する伝統工芸士として、伊万里、有田の地を拠点に活躍されています。伝統的な絵柄と独自のモチーフを巧みに使いこなし、波佐見のくらわんかで鍛錬された附立筆の技術は、今展においても要となる超絶技巧です。近年では絵付師、デザイナーとしてだけでなく、作家活動も展開されています。
 そんな村上さんの技術に衝撃を受けた梶原靖元さんが、是非一緒にやりたいという希望から今回の企画が動き出しました。全国各地や李朝の古窯跡などで材料を探し、近年では大胆な手びねりの手法を繰り広げる梶原さん。他の作家とコラボレーションするというのは、初の試みとなります。

 今回の展示では、出品作のほとんどが村上x梶原のコラボ作品となります。すでに確固としたキャリアを築きながら、なお新たな試みを求めて自らを更新し続けるお二人の挑戦と歴史的邂逅に立ち会える、またとない機会ですので、ぜひともご覧頂けましたら幸いです。
 わたしたちは今、二人の作家によって古唐津と古伊万里が再び出会った世界線に生きています。(
しかし、そうでない可能性も、もちろんありえたのです。)あり得たかもしれぬものを思い、それを形作ろうとする営み。偶然と必然が織りなす縁。今ここに降臨した福音ともいうべきその美は、魂を揺さぶるものでした。軽やかに。自由に。清らかな祈りにも似た色と形とで。

離岸 生嶋唯行

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梶原さんのご厚意で、貴重な動画を拝借いたしました。

村上さんのつけたて筆の技、梶原さんのろくろの技をご覧ください。

作品を実際にご覧になる前に、また作品をご覧になった後でこの動画を見ると、作品の見え方、感じ方が変わってきて面白いと思います。

村上さんの動画は唐津の作家さんたちが、伊万里の村上三和子さんのところに行って、その制作の様子をご覧になっている様子です。

唐津と伊万里は地理的には近いわけですが、意外とこれまでこうした交流は無かったそうで、村上さんも唐津の方が見に来るは初めてとおっしゃていました。

その意味でも「歴史的邂逅」の貴重なドキュメンタリーになっているのかなと思います。