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離岸開廊日

若林幸恵個展【うるわしのプネウマ/キャラクター】

2025.11.8 - 2025.11.16

展示会

若林幸恵さんにとっては、まずはじめに形を造ることへの思いがあった。

一見対極のようにも思える、刳り物と塗り物。その両方をなさる若林さんだが、
手刳りによる野性味あふれる造形も、ロクロを使った端正な(けれども絵付の入る余地があるように少し緩められた)造形も、自分の思い描く形を作りたいという思いによって通底している。

だから、若林さんは木地をつくることから、漆塗り、仕上げまで、たった一人で行う。
漆芸には多数の工程があり、それぞれに熟練した技術が必要となる。そのため分業制によって作られることが多いのだが、若林さんはそれを一人でこなしている。量産には向かないやり方だが、その分、一つの想いを形にし、そこに生命やエネルギーを吹き込むには適しているともいえる。

そして若林さんの作品の特徴として、具象的なモチーフの絵を描くことが挙げられる。抽象ではなく、あくまで具体的で弁別的なモノや生物たちが題材となる。それはなぜか? 若林さんは、うつわに生き生きとしたエネルギーを注ぎ込みたいと願っているからだ。ひとつひとつのうつわに、生命を吹き込むこと。その「依り代」とするには、情動や記憶に深く働きかける具象のモチーフが必要なのである。

造形と具象の絵によって息吹を注ぎ込まれたうつわは、一つのキャラクターとして立ち上がる。「キャラ立ち」は使い手にとっても愛着のよるべともなる。多くのエネルギーと愛情を注がれたうつわは、時代を超えて、遠くまで旅をすることができる、と若林さんは信じている。

本展では塗物と刳り物合わせて100点以上の個性豊かな「キャラクター」たちをご覧いただけます。椀、茶托、小皿、深皿、弁当箱、蓋物、手刳りの煙草盆など、多様な作品群をどうぞご覧ください。

プロフィール:
1972年 東京都生まれ
1998年 東京藝術大学大学院工芸科漆芸専攻修了
2022年 現在 埼玉県川越市にて制作

【展示会概要】

11/8土-16日  11時から17時まで。11/12水は休廊です。

作家在廊あり。

かげの道具展 10/18-26

11時から17時まで。22日(水)は休廊。

*終了しました

展示会

茶の湯では「第一の道具」と言われる掛け軸をはじめ、茶碗や茶入など、その座の主役となる道具があります。しかし茶事や茶会は、特別な関心を持って使われ、鑑賞されるこれらの道具だけで作られるわけではありません。

必需の道具として陰日向に亭主を助けること。場の雰囲気を調整したり、下支えすること。亭主の趣向や心尽くしをさりげなく表すこと。あるいは時に、主役をも凌いで客の心を掴むこと。

茶の湯はそんな脇役たちによって支えられているのであり、亭主にとっても、主役級の道具にとっても、茶会茶事が名脇役によって支えられていることは、なんと心強いことでしょう。

道具組において、細部にまで亭主の精神や好みを注ぎ込む。それが出来たときの気持ちよさはなんとも言えません。本展はそのために企画されました。

「カゲの道具」とは、茶道具のうち、茶碗、茶入茶器、水指などを除いた道具をまとめてざっくり呼称しており、本展では八人の作家による火入、香合、蓋置、建水、汲出、灰器に焦点を当てた構成で出来ています。

作家さんによってはほとんど作ったことがない種類の道具も含まれており、その点でも要注目の展示と言えるでしょう。

どんな時に使おうか。何と組み合わせようか。お手持ちの道具との取り合わせを想像しながらご覧いただくだけでも、楽しい展示会になっていると思います。

〈かげの道具展〉

・日時:10/18(土)〜26(日) 
各日11時から17時まで。※ただし22日(水)は休廊。

・場所:離岸

・出展作家(順不同):伊藤明美、内村慎太郎、梶原靖元、矢野直人、吉野桃李、谷穹、志村睦彦、辻村唯

・その他:会期途中よりオンライン販売を予定しています。箱付きのものに関しては、作品のお渡しが後日になります。作家在廊はありません。

出品作品をご紹介します。窯焚きを会期ギリギリまで頑張ってくださる作家さんもいらっしゃることから、五月雨式に順不同でご紹介していきます。ご紹介のものはご予約やお問い合わせも承ります。

●出品作品案内(順不同)

  • 吉野桃李

  • 辻村唯

  • 谷穹

  • 梶原靖元

  • 伊藤明美

  • 内村慎太郎

  • 矢野直人

  • 志村睦彦

川端まさみ展

*終了しました

展示会

9/13(土)より、川端まさみさんの個展を開催いたします。

川端まさみさんは初期伊万里を一つの範とし、白磁を中心に作品を作っています。
楚々とした(時に大胆な)絵付けや線刻、表情のある釉調、飽きのこない形(ナリ)のよさ。

一見儚げなようにもみえつつ、日々の暮らしの中でつかっていると日常にしっかりと着地している健全さがあり、
欠かせないうつわとなります。

よく精錬された土、ほのかに鉄分を含むとろりとした釉薬の微妙な色彩。ゆらぎを含みながら手に馴染み、ゆっくりと賞翫したくなるろくろの曲線。それは肥前陶磁の歴史の再構成という側面を持っているといえます。

泉山陶石の発見とともに、唐津から有田へと、窯業の中心地がダイナミックに移り変わった時代、
その移行の過程のなかでは、大陸からの技術流入や意匠の模範がありつつも、新しい材料に対して
どのようなアプローチをとって新しい焼きもんを生み出すかという、様々な試行錯誤があったことでしょう。

そのような間(あわい)の時期の、その時だけがもつ輝き。それは、やがて壮麗な成熟へ向かう肥前陶磁の歴史における、最後の青春の光なのかもしれません。

川端さんが手探りで捕まえようとしているのは、おそらくは、そのような変化していくプロセス自体を閉じ込めたかのような、何物ともいいがたきカタチであるようにも思います。

変革のダイナミズムを内に潜ませながらも、凪いだ海原のように静かでおおらかな在り方。
未完で荒削りな部分もありながらも、眩しいばかりの溢れ出る光芒を放ち、二本の足で大地を踏みしめるたくましさ。

相反するような要素のあいだでバランスを取りながら、一つの形のなかに留めること。

本展示会では、食器、酒器を中心に、壺、花入、茶陶など、様々な種類の作品をご覧にいれます。
川端さんはまだ若く、これからの発展も楽しみです。皆様との語らいからもきっと様々もことを吸収し、一層の成長につながることでしょう。初日・二日目の川端さんの在廊日をふくめ、ぜひ足をお運びください。

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川端まさみ展

【会期】 9/13(土)-20(土) 11時から18時
※17(水)は休廊とさせていただきます。

【作家在廊日】9/13、14

【その他】オンライン販売については後日ご案内いたします。

川端まさみ Masami Kawabata

1990年 石川県金沢市生まれ
2013年 金沢美術工芸大学工芸科漆コース卒業
2015年 金沢美術工芸大学大学院修士課程卒業
2019年 京都府立陶工高等技術専門校 卒業
現在有田・唐津・波佐見などで活動

SEKI DESIGN STUDIO わたしの祈りと暮らし

2025年8月2日(土)より10日(日)まで。(※6日(水)は休廊です。)

*終了しました

展示会

いよいよ8/2からセキデザインスタジオの展示(受注・即時販売)会を行います。

主宰の関さんはミニマルなデザインを得意とされていますが、それは関さんご自身の実存やその生活の反映でもあります。

一方に飾る美があるとすれば、もう一方には飾りたてない美、質実で楚々とした美があり、それはまた生活者の、心豊かに暮らしたいという願いに寄り添うものでもあります。

自分の、自分たちのスペースを心地よいものにしたい。

そのときに必要なのは、ゆっくりと静かにデザインされた「プロダクト」であるように思います。

それはどういうことか?

海、森林、山の稜線、草花の曲線。自然は私達の心を落ち着かせ、リフレッシュさせ、あるいは勇気づけたりもするでしょう。その視覚的にえられる「デザイン」は、長い長い時間をかけて、整えられたものです。

自然には人間の持つような欲はありません。ただ静かに置かれた環境において、環境と作用しあい、時を重ねて自らの「デザイン」を推敲していくものです。

関さんのデザインも、そのような自然の営みに近しいものがあると感じられます。

そのシンプリシティは格好つけのそれではありません。むしろ必要な機能を担保するのに必要十分な構造を考えたゆえの、単純さなのです。

丁寧に腑分けして考えるプロセスを内包するからこそ、そのデザインにはほのかな温かみも備わっています。媚びるものではありません。

淡交。使うもの自身の感性を引き出し、そっと生活に寄り添う、ものは言わねど知性を備えた生活のアシスタントのようでもあります。

関さんのデザインは、生活の中に入ると、呼吸に作用するようにも感じます。みたり、ふれたり、使ったりするうちに、気づかぬまにゆっくりとした深い呼吸になっている。「そう、周りを感じて、自分自身を感じて。今ここに、心を定めて。他のことは考えずに。ほら、心がだんだんと落ち着いてきたでしょう。」関さんのプロダクトは、そんなふうに語っているようにも思えます。

ゆっくりとした時間を生成してくれる。他のことを考えずに、一つのことに心を傾けることができる時間を生成してくれる。それは生活に存在する「祈り」であり、心を整えるために人類が昔から行ってきた営みです。関さんのプロダクトは、そうした時間=空間を生成するインテリジェンスでもあります。

生成AIが徐々に私達の暮らしに欠かせないものとなる中で、関さんのデザインによる、物質として存在するインテリジェンス=アフォーダンスは、忙しくするなかで見失いがちな自分の、確かな拠りどころの一つになってくれるでしょう。優れたデザインをもつ物質がもつ影響は大きなものです。それは私達の生活を少しづつではあるけれど確実に、良い方向へと導いてくれる。

祈るとは、きっと一日の生活のなかでの句読点のようなものなのでしょう。

健やかなるときも、病めるときも、退屈な日々にも、忙しい毎日にも。

「祈る」ということのために、ひねり出された、あるいはルーティンとして整えられた時間は、あらゆる外界の雑音を取っ払い、一つのことを思う時間です。

それはこころの栄養補給のようなもので、祈りはすっと心に染み透り、回復してくれます。

一服の茶を飲むのもまた、一日の句読点であるでしょう。

関さんのなかできっと茶湯と祈りとデザインは、同じものの違う側面として捉えられているのだと思います。

この度、SEKI DESIGN STUDIO による展示会を開催する運びとなりました。

SEKI DESIGN STUDIO を主宰する関 洋さんは、住宅、店舗、家具、日用品など、さまざまなデザインを手がけています。

離岸の設計もSEKI DESIGN STUDIO によるものです。

関さんは、祈りとお茶の道具のデザインから販売をなさっています。

それらは、ご自身の生活の必要性から生み出されたものです。

伝統や意味を踏まえたうえでの「素」のかたち。

それは、「いま本当に必要なモノはどうあるべきか」という根源的な問いへの静かで柔らかな答えでもあるのでしょう。

特筆すべきは、そこでは「行為のカタチ」までもがデザインされていることです。

その道具を使うとき、

自然と背筋が伸びる。

丁寧な所作が湧き上がる。

心が安らぐ。

モノと「ふるまいのデザイン」が一体になっているのです。

本展は、祈りと茶の湯の道具を中心に、SEKI DESIGN STUDIO のエッセンスを、空間全体を通して体感していただける構成となっています。

みなさま、ぜひご高覧ください。

振り返れば、東日本大震災の経験から、わたしの暮らしには「祈り」が欠かせない習慣となりました。

何も特別なことはなく、毎朝、自分で決めた祈りの場所で、じっと目を閉じ、心を落ち着かせ、手を合わせる。それはとても心地よいことだと知りました。

人に請われて、お仏壇やお位牌などをデザインすることも増えてきて、人それぞれにとっての祈りの場が必要とされている、とも感じています。

このたび、「祈りの場」をテーマに展示会を開くことになりました。

場所は、わたしの活動を深く理解してくださっている生嶋唯行さんが営む、茶の湯をテーマにしたギャラリー「離岸」です。

新しくお披露目するものも含め、お仏壇、お厨子、お位牌、三具足、器、花入などの祈りとお茶の道具を、ギャラリー空間とお茶室に設えます。

木工、金工、陶芸のつくり手たちとやりとりを繰り返し、丁寧に心を込めて、形にしてきたものばかりです。

あなたの気持ちにかなう祈りの場をつくる手助けとなれば、幸いです。

SEKI DESIGN STUDIO 主宰 関 洋

会期 : 2025年8月2日(土)~ 10日(日)*6日(水)休廊

開廊時間 : 11時~17時

会場 : 離岸 Gallery & Chanoyu

住所 : 東京都世田谷区経堂2-15-3-2 小田急線経堂駅から徒歩3分

電話番号 : 03-6784-3811

ホームページ : https://rigan.jp

*関 洋さんの在廊日 : 8月2日(土)・3日(日)・9日(土)・10日(日)

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展示会スケジュール

2025.8.2 - 2026.5.17

展示会

2025年8月から2026年5月までの展示会スケジュールです。タイトルは仮です。作家名は順不同です。追加の展示会もあるかもしれません。

2025

  • 8/2 – 10 セキデザインスタジオ
  • 9/13 – 20 川端まさみ 個展
  • 10/18 – 26 火入・香合・かげの道具展(伊藤明美、梶原靖元、矢野直人、吉野桃李、辻村唯、志村睦彦)
  • 11/8 – 16 若林幸恵 個展
  • 12/20 – 28 山田洋次 個展

2026

  • 1月 未定
  • 3/7 – 15 野衣 個展
  • 3/21 – 29 石井義久・明賀亘史 2人展
  • 4/4 – 12 三藤るい 個展
  • 4/18 – 26 吉野桃李 個展
  • 5/9 – 17 詳細後日

今井麻美子〈ゆらすかおり〉ワークショップ+茶会

*終了しました

展示会

今井麻美子〈ゆらすかおり〉ワークショップを1/11,12,13に開催します。あわせて香りを楽しむ茶会もします。

〜創香家・今井麻美子の香りを作るワークショップが離岸に帰ってくる!〜
前回大変ご好評をいただきました今井さんのワークショップをまた離岸で行う運びとなりました。

今井麻美子さんの調合する香りは、果てしなく優しい。。。その理由は今井さんの(鍛錬による)鋭敏な嗅覚によるブレンド技術と、現代ではほぼ絶無と言って良い作り方、つまり天然の原料「だけ」を使用する古来の製法にあります。

ビジュアルや文章では表現しづらい香りを宣伝するのは困難なのですが、ほんとうにすっと香り、すっと消えていく。食事を邪魔しない(だって原料は漢方やスパイスと同根ですから)。

和菓子の岬屋さんも、「良いあんこは甘さがいつまでも口の中にベタベタ残るのではなく、サラッと溶けていく甘さだ」(大意)とおっしゃっていますが、香りも同じで、空間にいつまでもベタベタと残らずにさらっと消えていく、それが上質で良い香りなのだと、今井さんの作る香りに触れて分かりました。

そのような香りを現代で手に入れるのは結構困難で、その点今井さんの香りは間違いありません。

ワークショップでは今井さんのもっている天然の香原料を使い、各人でオリジナルの香りを作る事ができます。季節のイメージ、記憶のイメージ、願い、気分。求めたい香りを今井さんにお伝えし、それをもとに今井さんがベースとなる調合を行います。そしてまたそれをもとにもうちょっとこうしたい、みたいなやり取りをしながら、自分の心や体にぴったりフィットする香りをつくることができます。

{香りは大脳新皮質を経ず、直接に大脳辺縁系へと作用する。すなわち、理性を飛び越え、情動や記憶を司る人間の脳の最も古い部分にダイレクトに到達し、私たちの脳と心を揺さぶる。
眼や触覚で楽しむ工芸美術、聴覚の音楽とは違い、香りは私たちの本能と直結している。それゆえに妖しく、艶かしく、かつ宗教性も帯びている。
香を焚きしめ、揺らすとき、私たちの存在もまた揺らされ、整えられる。香りは、古層の記憶へと我々を誘い、日常生活の中で硬くなった心身を軽やかにマッサージしてくれる。}

【開催概要】
今井麻美子〈ゆらすかおり〉 香りと遊ぶワークショップ +茶会
2025.1.11(土) , 12(日), 13(月祝)
講師:今井麻美子(創香家・香司)

【日程】 (各イベントの詳しい内容は日程以下の部分をご参照ください。)
〈1/11(土)〉
・11〜13時〈ゆらすかおり〉茶会 
定員6名 9,000円(主菓子、薄茶、練香8粒お土産付き)

・14〜16時 オリジナル線香制作1
定員5名 8,800円(お作りいただいた線香はお持ち帰りいただけます)

〈1/12(日)〉
・11〜13時 オリジナル線香制作2
定員5名 8,800円(お作りいただいた線香はお持ち帰りいただけます)

・14〜16時 オリジナル練香制作1
定員5名 9,900円(お作りいただいた練香はお持ち帰りいただけます)

〈1/13(月祝)〉
・11〜13時 オリジナル練香制作2
定員5名 9,900円(お作りいただいた練香はお持ち帰りいただけます)

・14〜16時 オリジナル線香制作3
定員5名 8,800円(お作りいただいた線香はお持ち帰りいただけます)

【どんなワークショップ?】
ワークショップでは参加者の香りのイメージをもとに、セッション形式でオリジナルの調合の香を作ることができます。線香の回と練香の回があります。

線香は、おうちで、どんな時でも使えます。ティータイムやリラックスタイム、瞑想、ヨガ、在宅の仕事中などお好きなシチュエーションで。
もちろんお友達をお家に招くときなんかもいいですし、一人で贅沢な時間を過ごすことも出来ます。香りで心や気分をリフレッシュできます。
巷の線香に忌避感のある方にこそ、ぜひ体験していただきたいです。新たな香りの世界が拓かれるとおもいますよ。

練香は茶道をしている方に特にお勧めです。自分のオリジナルの香りを焚きしめて茶会などを催せば、それだけでご亭主ならではの空間になりますし、お客様も特別な会に参加出来たと喜ばれるでしょう。香をきっかけに会話も弾みますし、何より本当に良い香りです。騙されたと思って一度使ってみてください。

ワークショップでは、老山白檀、新山白檀、龍脳、丁子、桂皮、大茴香、山奈、甘松、かっ香、排草香、乳香、安息香、極上安息香、ウコン、零陵香、粕白檀、シャム沈香、タニ沈香といった天然の原料を使います。
これらに加えて線香では椨粉を、練香では蜂蜜を使って練ります。

【〈ゆらすかおり〉茶会】
今井麻美子さんの作る練香を用いて初炭手前+薄茶点前の茶会を行います。
練香をうまく熱灰に載せ、いい感じに香らせることができるのか。乞うご期待。
今井さんも同席していただき、香りにまつわる会話をお楽しみいただけます。
参加者は離岸オリジナルの練香もお土産としてお持ち帰りいただけます(原料の大幅な値上げに伴い、練香は価格改定を行いました。)

☆ワークショップ・お茶会参加ご希望の方はページ下部のお問い合わせフォーム、インスタグラムDMなどでお名前、当日ご連絡のつくお電話番号、ご希望の回と人数をお知らせください。キャンセルの場合はお早めにお知らせください。以下のようなキャンセルポリシーとさせていただきまして、キャンセルを請求する場合がございます。お申し込みした時点でご同意頂いたものとみなします。

  • 茶会、線香と練香のワークショップ各回::5日前〜2日前:料金の50%、前日:料金の80%、当日:料金の100%

今井 麻美子 Mamiko Imai
@mamikoimai
香りを創ることはイメージを五感で感じ表現する一つのアートと考え、2008年より百貨店出展、講座、イベントなど国内外を問わず様々な活動をしている。また、近年増えてきているコンサートやイベントなどでの香りの演出の先駆者でもある。最近の制作作品には『暁のヨナ』(草凪みずほ/白泉社)の花とゆめ本誌プレゼントやソーシャルゲーム『Alice CLoset』『なむあみだ仏っ!』の公式グッズ制作など、漫画やゲームのキャラクターを和の香りで表現。香と音ASHITA・日月香では、使う側が体感し、自由に表現できる今までにないアートとしての香りを制作したり、形のない香りだからこそ出来る新しい香りの表現であり体験する人がいて初めて成立するインスタレーションアートでもある「交香感」を世田谷美術館分館清川泰次記念ギャラリーにて開催するなど、伝統であり日常である和の香りの既存に囚われない新しい可能性を大きく広げている。

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山口千絵個展〈手のひらに、ほとけさま。〉

*終了しました

展示会

12/7(土)より山口千絵さんの個展を行います。山口さんは螺鈿・漆芸家として、手のひらに収まるサイズの小さなほとけさま(仏像)を中心に制作されています。ほかにも動植物のモチーフを扱ったり、また小さな壁掛けの作品(「ひっつきむし」などで貼り付ける合理性!)なども展開しています。

今回は離岸での展示にあわせて特別に香合や短冊作品をつくって頂く予定です。

螺鈿を使った作品において山口さんは漆や木地の「地」の部分と螺鈿の「図」の部分のバランスをとてもよく気にかけています。作品のどれくらいの部分を螺鈿で埋めるのか、そのあたりもじっくり観察してみると面白いです。

また掌品ということで必然的に線は単純に研ぎ澄まされ、必要最低限の線においてほとけさまの姿が顕現します。このような単純化によって、むしろ神々しさを想像する余白のようなものが生まれ、小さいながらも存在感のある柔和な姿が出来ています。

DM作品については会期前のお問い合わせも承れます。お気軽にご連絡ください。

(※ご売約済:上掲横一列に並んだ作品の左端、左から四番目、左から六番目、右から四番目。)

山口千絵さんは初日の夕方まで在廊してくださいます。(小さなお子様の育児をしながら、タイトなスケジュールで頑張って納品してくださいました。)

東日本では初となる山口さんの個展ですので、皆様どうぞ、足をお運びくださいませ。かわいらしく、傍にあるだけで守っていてくれそうな、良いオーラをまとった作品で新しい年をお迎えしてくだされば嬉しく思います。

小さなもの。目を凝らし、手を凝らし、専心し、ほとけの姿を立ち上がらせていく。凝縮された空間のなかで必然的に線はシンプルになり、研ぎ澄まされて、これ以上でも以下でもないその界面に、ほとけが顕現する。

かわいいもの。可愛さと尊さが等価であるような、新しい祈りの形。仏像としては型破りであり、むしろだからこそ、祈りはより純粋に象られていく。何故ならば小ささもかわいさも、山口千絵の実存と深く結びついているから。

山口千絵のほとけさまはやさしく、ほっこりと暖かく私たちを見守ってくれている。野辺の小さな花のように、無量の星のように、光り輝きながら。

山口千絵

1988年奈良県生まれ。

2011年京都精華大学プロダクトデザイン学科卒業

京都の家具製作所にて木工の修行の後、漆教室に通いながら螺鈿の制作を始める。

伊藤明美個展〈茶湯日月抄〉

*終了しました

展示会

11/23(土)より、伊藤明美さんの個展を開催いたします。

茶の湯への、うつわへの、古いものへの愛情がたっぷりつまった伊藤明美さんの作品。

茶籠も出品してくださいますので、愛好者、数奇者の皆様もぜひお楽しみに、お越しください。

伊藤明美さんのうつわには、ほどよく弛みがある。
無駄な線はなく、研ぎ澄まされているのだが、人懐っこさを含んでいる。その空気感は、「うつわや」伊藤明美さんの、お客さんに日常的に器を愉しんでほしいという願いの表れでもあるのだと思う。

(緊張感や情念で人や場を圧倒するのではなく、)使われる空間と時間を心地よく豊かなものにすること。伊藤さんの作品はいつも使い手のほうを向いている。あるいはそれに加えて、過去の陶工と焼き物のほうを。

古唐津や古高取の無心の美に照らされた道を歩きながら、伊藤明美さんは、茶の湯の精神を、そのうつわに映す。〈ひとしなみに。しずけさを。〉伊藤明美さんの作品から照らされると、茶の湯とは、かくも美しく楽しいものであるか。わたしたちは初心に帰るような気持ちで、驚きとともに、いつでもそれを思い起こすのである。

谷穹 抽象と静寂 Tani Q Solo Exhibition

2024.11.02- 10 / 11:00-18:00

*終了しました

展示会

谷穹さんの作品はピラミッドのように非人称的で抽象的な手触りがある。実体があるのに謎めいていて、言葉による理解を躱しながら、ここにあるモノを超えて、もっと「物自体(Ding an sich)」にせまることを、呼びかけている。

そのかすかな声は、静寂のひとつのバリエーションだ。工芸的な美の範疇を超えて、とても静かに存在している谷穹さんの作品に触れるとき、わたしたちはこの世界を成り立たせている根源のようなものへと近づいていく。答えではなく、問いそのものとして現れる形象。Q。

と同時に谷穹さんの作品は時代の空気感を鮮やかに纏っている。しかつめらしさがなく軽やかでこなれていることと存在の問いかけを、カッコ良さと深さを、センスとアンチセンスを両立させる。それは稀有な事だと思う。

会期:

2024.11月2日(土)から10日(日)まで。11時〜18時。

※11/5(火)はお休みです。

※2日、3日に谷穹さんが在廊してくださる予定です。

※オンライン販売も予定しています。決まり次第アナウンスいたします。

谷穹さんの作品はかっこよく、また茶を呼ぶというか、茶の湯の余情もふくよかにあります。

樂初代長次郎を彷彿とさせるちゃわんもDMの中にありますね。正直、焼締は釉薬のかかった茶碗より使いづらいけど、そんな欠点も上回る魅力があります。

展覧会みたいなDMですが、普通の展示販売会となりますので、皆様お気軽におこしください。

吉野桃李展 

*終了しました

展示会

10/12(土)より、吉野桃李展が始まります。

吉野桃李さんは萩焼に魅せられ、萩の地で長年作陶と探求を続けておられますが、同時に、萩のはじまりである高麗ものに対する想いも強く持っておられます。

唐物の影響を受けた高麗、その影響を強く持つ萩。李兄弟を開祖に持つ萩焼の中には、高麗や唐物のエッセンスが入っています。

吉野桃李さんは、そうした萩の成り立ちに意識的であり、確信的に遡行し、萩のなかで三国を融和させ、萩の正統的な、かつ独創的な解釈で萩の今日を作り出しています。

唐物の持つシンメトリーの美、薄さ(軽さ)の卓越した技巧。高麗の、粉青沙器の親しみと和らぎ、祈りの質感。それらは萩の上品さ、柔らかさ、土の良さのなかでまどろみ、萩のなかでこそ開花しえた自らの別のあり方に重畳している。そんなふうに焼物の一つの桃源郷としての萩を表現しようとなさっているようにも捉えられます。

吉野桃李さんは萩がもつ歴史的なポテンシャルをご自身で解釈し直し、存分に発揮するように多彩な作品を作ります。しかしまた同時に国焼へも興味感心は注がれています。

萩を軸としながら、歴史的、地理的な多くの参照点を束ね、吉野桃李の茶陶を中心とした奥深く静かな作品世界が出来上がります。

その最先端をどうぞご高覧くださいませ。

【展示会概要】
吉野桃李展 
唐物と高麗は萩の夢を見る

2024.10.12(土)~19(土)
※15日(火)のみ休廊
11:00-18:00

・12(土)、13(日) 吉野桃李さん在廊

柔和な肌、高潔で寡黙な形、七色の色彩。

吉野桃李さんの高潔で寡黙な形を見ていると、それは李朝の精神のうつせみのようであり、白磁でなくても白磁以上の高潔さを表現しうるということに気付かされます。桃李不言下自成蹊の言葉通りに寡黙なのは、高倉健のように不器用だからではなく、むしろ、茶入の驚くほどの軽さにみてとれるような卓越した技術を、自己を表出するためでなく、自己の規矩に供するものとして使役しているからでありましょう。

その厳しい途は、愉しさとともにあります。萩らしい柔和な肌と、種々の釉薬と窯変による色彩の官能は、触覚と視覚の快さを与えてくれます。気品と愉楽と柔らかさは萩的でありながら、あくなき対称性への姿勢は唐物的であり、清廉潔白な姿を求める精神は李朝的です。

吉野桃李の眼は、萩の始祖としての高麗、さらに奥の唐物にも向かっており、本来的に萩に内包されているそれらの要素を萩の土の中で浮かび上がらせ、萩の潜在的な可能性を探求しているようです。(部分的に)歴史への回帰というかたちをとりながら、歴史を拡張していく試み。あるいは萩を高麗・唐物・和物のアマルガムとして捉え直す試み。氏の作品は、地理的にも歴史的にも大きなスパンで見られるべきものです。

その探求の最新の記録を、ぜひご高覧ください。