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若林幸恵個展【うるわしのプネウマ/キャラクター】

*終了しました

展示会

若林幸恵さんにとっては、まずはじめに形を造ることへの思いがあった。

一見対極のようにも思える、刳り物と塗り物。その両方をなさる若林さんだが、
手刳りによる野性味あふれる造形も、ロクロを使った端正な(けれども絵付の入る余地があるように少し緩められた)造形も、自分の思い描く形を作りたいという思いによって通底している。

だから、若林さんは木地をつくることから、漆塗り、仕上げまで、たった一人で行う。
漆芸には多数の工程があり、それぞれに熟練した技術が必要となる。そのため分業制によって作られることが多いのだが、若林さんはそれを一人でこなしている。量産には向かないやり方だが、その分、一つの想いを形にし、そこに生命やエネルギーを吹き込むには適しているともいえる。

そして若林さんの作品の特徴として、具象的なモチーフの絵を描くことが挙げられる。抽象ではなく、あくまで具体的で弁別的なモノや生物たちが題材となる。それはなぜか? 若林さんは、うつわに生き生きとしたエネルギーを注ぎ込みたいと願っているからだ。ひとつひとつのうつわに、生命を吹き込むこと。その「依り代」とするには、情動や記憶に深く働きかける具象のモチーフが必要なのである。

造形と具象の絵によって息吹を注ぎ込まれたうつわは、一つのキャラクターとして立ち上がる。「キャラ立ち」は使い手にとっても愛着のよるべともなる。多くのエネルギーと愛情を注がれたうつわは、時代を超えて、遠くまで旅をすることができる、と若林さんは信じている。

本展では塗物と刳り物合わせて100点以上の個性豊かな「キャラクター」たちをご覧いただけます。椀、茶托、小皿、深皿、弁当箱、蓋物、手刳りの煙草盆など、多様な作品群をどうぞご覧ください。

プロフィール:
1972年 東京都生まれ
1998年 東京藝術大学大学院工芸科漆芸専攻修了
2022年 現在 埼玉県川越市にて制作

【展示会概要】

11/8土-16日  11時から17時まで。11/12水は休廊です。

作家在廊あり。