
茶の湯では「第一の道具」と言われる掛け軸をはじめ、茶碗や茶入など、その座の主役となる道具があります。しかし茶事や茶会は、特別な関心を持って使われ、鑑賞されるこれらの道具だけで作られるわけではありません。
必需の道具として陰日向に亭主を助けること。場の雰囲気を調整したり、下支えすること。亭主の趣向や心尽くしをさりげなく表すこと。あるいは時に、主役をも凌いで客の心を掴むこと。
茶の湯はそんな脇役たちによって支えられているのであり、亭主にとっても、主役級の道具にとっても、茶会茶事が名脇役によって支えられていることは、なんと心強いことでしょう。
道具組において、細部にまで亭主の精神や好みを注ぎ込む。それが出来たときの気持ちよさはなんとも言えません。本展はそのために企画されました。
「カゲの道具」とは、茶道具のうち、茶碗、茶入茶器、水指などを除いた道具をまとめてざっくり呼称しており、本展では八人の作家による火入、香合、蓋置、建水、汲出、灰器に焦点を当てた構成で出来ています。
作家さんによってはほとんど作ったことがない種類の道具も含まれており、その点でも要注目の展示と言えるでしょう。
どんな時に使おうか。何と組み合わせようか。お手持ちの道具との取り合わせを想像しながらご覧いただくだけでも、楽しい展示会になっていると思います。
〈かげの道具展〉
・日時:10/18(土)〜26(日)
各日11時から17時まで。※ただし22日(水)は休廊。
・場所:離岸
・出展作家(順不同):伊藤明美、内村慎太郎、梶原靖元、矢野直人、吉野桃李、谷穹、志村睦彦、辻村唯
・その他:会期途中よりオンライン販売を予定しています。箱付きのものに関しては、作品のお渡しが後日になります。作家在廊はありません。
出品作品をご紹介します。窯焚きを会期ギリギリまで頑張ってくださる作家さんもいらっしゃることから、五月雨式に順不同でご紹介していきます。ご紹介のものはご予約やお問い合わせも承ります。
●出品作品案内(順不同)
- 吉野桃李
- 辻村唯
- 谷穹
- 梶原靖元
- 伊藤明美
- 内村慎太郎
- 矢野直人
- 志村睦彦













































































