11/23(土)より、伊藤明美さんの個展を開催いたします。
茶の湯への、うつわへの、古いものへの愛情がたっぷりつまった伊藤明美さんの作品。
茶籠も出品してくださいますので、愛好者、数奇者の皆様もぜひお楽しみに、お越しください。
伊藤明美さんのうつわには、ほどよく弛みがある。
無駄な線はなく、研ぎ澄まされているのだが、人懐っこさを含んでいる。その空気感は、「うつわや」伊藤明美さんの、お客さんに日常的に器を愉しんでほしいという願いの表れでもあるのだと思う。
(緊張感や情念で人や場を圧倒するのではなく、)使われる空間と時間を心地よく豊かなものにすること。伊藤さんの作品はいつも使い手のほうを向いている。あるいはそれに加えて、過去の陶工と焼き物のほうを。
古唐津や古高取の無心の美に照らされた道を歩きながら、伊藤明美さんは、茶の湯の精神を、そのうつわに映す。〈ひとしなみに。しずけさを。〉伊藤明美さんの作品から照らされると、茶の湯とは、かくも美しく楽しいものであるか。わたしたちは初心に帰るような気持ちで、驚きとともに、いつでもそれを思い起こすのである。